シネ・イーラ ── 「怒りも贔屓もなく」(タキトゥス『年代記』1巻1節)

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音楽 28 本

音楽歴史

ウィーン・フィルの師弟の系図 ヴァイオリンとホルン

ウィーン・フィルの音は、師から弟子へ受け継がれてきたと語られます。楽員名簿と略歴から、ヴァイオリンとホルンの師弟の線を引きました。ヴァイオリンでは、1942年の楽団史が付けた「非アーリア人」の印と、その系図に描かれなかった幹が、今のコンサートマスターにつながります。ホルンでは、今の楽員10人のうち9人が一人の先生の門下にたどり着き、その門下には、ナチ党の細胞を作った奏者と、「混血」として特別許可でしか残れなかった首席がいました。

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「ウィーンの響き」は本当にあるのか(序)楽器を替えても、「ウィーンの音」は残るのか

1920年前後、若いフルトヴェングラーはウィーン・フィルの弦楽器を借りて自分の楽団に弾かせ、響きはかえって鈍くなりました。この逸話を手がかりに、「ウィーンの音」とは何なのかを、手元の資料で確かめていく連載の序です。仮説は一つ、「器は残り、中身は動く」。

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「ウィーンの響き」は本当にあるのか(第1章)何が「ウィーンの音」と呼ばれてきたのか

1942年の記念誌、指揮者、プロデューサー、作家、そして近年のコンサートマスター4人の言葉を並べると、「ウィーンの音」は一つの主張ではありませんでした。音のまとまり、人と伝承、楽器、演奏の場、美しく弾くことへの価値判断。語り方の違いを整理します。

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「ウィーンの響き」は本当にあるのか(第4章)何が伝統を支え、何が伝統を選び直したのか

指揮者と曲目を自分たちで決める権利は、何を伝統に入れ、何を外したのか。1842年の取り決め、第九の扱い、新作の試演、1942年の「古典の守り手」という言葉、そして楽団が当時距離を置いたブルックナー、マーラー、シュトラウスのその後。存命作曲家の割合を1842年から数え直しました。

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「ウィーンの響き」は本当にあるのか(第5章)「ウィーン・フィル」の名前は、どう価値になったのか

評判は旅公演より先に地元の客席で生まれていました。1848年の「世界最高の楽団」、空き待ち600人、1920年代の換金、ニューイヤー・コンサートの起点をめぐる公式史と研究者の対立、放送の契約に書かれた「ウィーンの響き」、そして金貨と名器の取り決め。

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「ウィーンの響き」は本当にあるのか(検証)仮説を立て、データで確かめる

連載の各章から立てた26の仮説を、演奏記録、楽員の名簿、歴代首席の台帳、英米の音楽誌の全文で確かめました。指揮台の入れ替わり、存命の作曲家の「在庫」、音楽事務所、コンサートマスターの門、楽員の国際化の段階、排除の理屈と公演の実績。支持されたものも、崩れたものも並べます。

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神童のその後 ── 10代で名門と共演した演奏家は、40年後、どうなっているのか

N響・都響に独奏者として出た日本人の器楽奏者792人と、全日本学生音楽コンクールのヴァイオリン部門の1位の経歴を調べた一次調査です。10代で名門と初めて共演したヴァイオリン奏者は、50歳の時点で楽団に在籍していた人が13人中0人で、45〜55歳に名門で独奏した人は17人中10人でした(20代で初めて共演した人は35人中10人)。現役のプロのヴァイオリン奏者655人のうち、神童と呼べる記録を持つ人は12人です。

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ウィーン・フィルとN響の100年 ── 定期公演の曲目と指揮者は、どう変わってきたのか

ウィーン・フィル(1842年〜)とN響(1926年〜)の公式の演奏記録から、定期公演の曲目と指揮者を10年ごとに調べた一次調査。定期公演の曲目の似方は1970年代から順位相関0.6台で安定。両楽団ともベートーヴェンとモーツァルトが柱で、ワーグナーはN響、ブルックナーはウィーン・フィルで多い。N響で最も多く演奏された作曲家はベートーヴェン(全公演の12.4%)、曲は交響曲第9番(459回)。外国人指揮者の割合は2000年代の81.9%が最大。

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ヴァイオリン製作家の価値は何で決まるのか──入賞歴、師匠の名前、一門の大きさ

巨匠ジョ・バッタ・モラッシーの門下91人、製作コンクールの全順位368人、世界の楽器店の店頭価格4,563本とオークションの落札記録を突き合わせた一次調査。クレモナの作家の店頭価格は門下229万円・門下以外220万円でほぼ同じ。コンクールの順位は上位10%で249万円・下半分で153万円。一家の工房の看板とクレモナにとどまることも値段と結び付いていた。

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ウィーン・フィルは何を守ったのか ナチ時代、カラヤンとバーンスタイン、ウィーンという街

ウィーン・フィルが守ろうとしたものを、楽団長シュトラッサー、コンサートマスターのヒンクとキュッヒル、カルショー、レッグ、ホフマン『ウィーン』の証言と、公式コンサート・アーカイブ10,768公演の集計から追った調査。ナチの音楽政策と1938年の追放、ハリウッドへ渡った作曲家、カラヤン・ベーム・クリップス・バーンスタイン、戦後の沈黙と2013年の公表、ウィーン生まれのコンサートマスターの時代まで。APPENDIXに指揮者・曲・国の回数表と資料一覧。

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プロオーケストラ奏者の入団までの経路 ── 学校・留学・アカデミー・コンクールの集計

日本のプロオーケストラの団員1,062人と、海外のオーケストラにいる日本人827人の経歴を集計した一次調査。日本の上段の楽団では東京藝術大学と桐朋学園の出身者が約7割。海外のA格の楽団の日本人は85%が留学。ドイツ語圏はアカデミーから直接、米国は小さな楽団を経て入る人が多い。コンクールの入賞は上の楽団ほど多いが必須ではない。

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指揮者になるには ── 指揮者コンクールは唯一の正解なのか 日本は入賞者56%、世界の一流楽団の長は32%、ドイツ語圏は6%

2000年以降に世界の一流オーケストラと歌劇場で音楽監督・首席指揮者に就いた111人と、日本のプロオーケストラで振る日本人指揮者72人の経歴(任命された職・学歴・楽器・指揮者コンクール)を記事と公式プロフィールから集計しました。指揮者コンクールで入賞した人は世界111人で32%、日本72人で56%。世界の中でもドイツ・オーストリア・スイス国籍は6%、旧ソ連は56%と大きく違います。初めて長に就いた年齢は世界が中央値31歳、日本が36歳。東京国際音楽コンクール〈指揮〉の入賞者は日本の楽団の長への入口として6大会で最も強い形でした。

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チケットを安売りしても客は増えない ── アマオケのチケットが売れる理由は、これだ!

アマチュアオーケストラの演奏会で、客席がどれだけ埋まったかを公演ごとに集計しました。4,079公演分から、社会人オーケストラ434公演・150団体(2023-2026・大学のOBオーケストラを含む)について、入場料・会場・曲目・指揮者・独奏者と動員の関係を、団体固定効果つきの回帰と団体内比較で測りました。値下げで客が増える向きは出ず、会場はサントリーホールで+558席。合唱つきは+218席ですが、内訳はマーラー《復活》+296席と第九+271席で、その他の合唱つきは−16席(24公演8勝16敗)です。

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日本人はバイオリンを高値で買わされているのか?

世界40か国193都市、楽器店・弦楽器店5,880店の店頭価格を同一手法で調査。ブランドを揃えただけの国際価格差は2.30倍、型番・サイズ・仕様まで揃えると1.16倍。作家の外部市場価値と年代を調整した国別指数は日本=100で米国157・英国140・ドイツ103。狙う楽器別にどの国の棚に厚く出ているかの一覧つき。

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バイオリンの値段は、何で決まるのか

バイオリン(ヴァイオリン)の値段と相場を一次データで検証。「音大なら300万円」を裏づける記述は業界119件中1件(販売店では0件)。同じ作り手の楽器を10か国63店で比べると、米国は日本より2割あまり高い(日本=100で米国126)。対象者別の価格帯早見表、国別の指数表、買う前に確かめる7項目、日本での免税購入の注意つき。violin price Japan.

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ピアノのコンクール入賞者は、どこへ行ったか ── 席の無い楽器の出口を、入賞記録と免許から調べた

日本音楽コンクールのピアノ部門386件をはじめ56大会・29,366件の入賞記録を集め、入賞者7,770名の進路を追った一次調査。ピアノの門は毎年開き入賞者は年4.0名。国籍を公開する国際6大会1,743名で日本人比率はピアノ10.1%と4系統で最高、ジュネーヴのピアノ部門は172名中19名。それでもオーケストラ団員として名が出るのは1%。プロオケにピアノの席が無いためで、職の門は免許にあります。小学校一種を出す音楽学部はゼロ、中高音楽の要項はピアノを代替不可と定め、公立の採用は年689人。

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管打楽器のコンクール入賞者は、どこへ行ったか ── 入賞記録をプロオーケストラ15団体の名簿と突き合わせた

日本音楽コンクール・日本管打楽器コンクールなど56大会・29,366件の入賞記録を集め、プロオーケストラ15団体の団員名簿と突き合わせた一次調査。管打楽器奏者371名の39.6%が主要4大会のいずれかに入賞し、日本音楽コンクールだけで比べても管打16.2%は弦楽器5.2%の約3倍。差は格ではなく席と人の比で、管打の席は約920・年間入替26〜31。国籍を公開する国際6大会1,743名では日本人はピアノ10.1%・管打7.3%・弦6.7%で、管打は弦を下回りません。席の無いユーフォニアムが済州国際金管打楽器コンクールで最多15件。楽器別の専門大会では2割、欧州の総合コンクールでは2%に届きません。

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満席でも赤字になる楽団

日本オーケストラ連盟 加盟40団体の決算21年分と公演記録・指揮者・曲目を突き合わせた一次データ分析。満席にしても支出に届かない楽団が16あります。外部支援を剥がした自力率、公費の住民1人あたり負担、指揮者の海外ポスト格付け、大編成・難曲51曲の採用状況、10年の推移、音楽大学の進路とオーケストラの公募まで収録。

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音楽学習者・奏者と聴衆の関係──楽器人口・吹奏楽35年・オーケストラ21年の実数で追う「時間差」

楽器人口は減ると、音楽を聴く人も減るのか。総務省の社会生活基本調査、全日本吹奏楽連盟35年分、日本オーケストラ連盟21年分、消費者物価指数、経済センサス、文化庁の世論調査、ヤマハの統合報告書を突き合わせ、楽器人口・音楽教室・吹奏楽部・オーケストラ聴衆の変化を実数で検証。演奏人口の縮小が聴衆と楽器市場に現れるまでの時間差

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コンクールの物差し

日本のヴァイオリンコンクール16大会の入賞者3,765件(氏名2,128名)を全件収集し、大会をまたいだ照合と入賞後の進路を追跡した一次データ分析。課題曲の制度、審査員の構成、副賞の現金換算、参加費の取り方、プロオーケストラ28団体569名との照合、海外主要国際コンクールへの到達率、進学先の定員補正まで。